データ分析について考える

データ分析/データ活用/ビジネスにおけるインテリジェンス

データ分析の報告を聞く時に気を付けるべきこと

利害関係者の報告にはバイアスがかかることに注意しましょう

外部のコンサルタントや営業、内部でも企画者や部下など、利害が絡んでいる人の報告にはどうしても自分の都合の良い情報を届けようとする意識が働いてしまいます。報告を受ける側は、バイアスがかかっていることを前提として、どうしたらより正確な情報を得ることができるようになれるかを考えます。

態度ではなく、内容に注意する

自信たっぷりで堂々とした態度でプレゼンする人には要注意です。本当に内容に自信がある結果であることよりも、説得力を持たせるための演技、虚勢、内容はたいしたことがないのに本人はなぜか自信満々、といったことが多いからです。対策としては、態度にごまかされることなくあくまでも内容を吟味することが必要です。

局所的ではなく、大局的に見る

全体的に見たらどうみても失敗なキャンペーンであっても、局所的に見れば少しぐらいは良いところが見つかるものです。そこで、キャンペーンが失敗したと報告する変わりに、話を細分化し、良い部分だけにクローズアップすることで、失敗をごまかそうとする場合があります。大局的な話をしない、あるいは簡単に触れるだけで詳細な話をし始めたら要注意です。どんなにおもしろそうなアイデアであっても、1%程度のインパクトしかなければ全体の改善はしません。

量ではなく、必要な情報に注目する

とにかく情報量を増やすことで、レポートの価値を持たせようとすることもあります(量だけを評価する人もいるので、仕方ない面はあるのですが)。自分にとって必要な情報は何かを明確にし、事前に伝えておけば回避することができるでしょう。無駄な報告を受ける時間の節約にもなります。

数字が水増しされていないか気を付ける

施策の効果があったように見せるために、都合の悪い情報を出さない、あるいは集計方法に手を加えるなどということが行われることがあります。以下のポイントに注意しましょう。3つ以上Noであるならば、その報告はごまかしが入っている危険が非常に高いです。

  • ROIを算出しているか
  • 売上だけではなく、利益を基準にしているか
  • 施策を行わなかったグループとの比較を行っているか
  • 期間の設定は適切か
  • 効果とする対象者は適切か
  • 効果とする購買された商品は適切か

報告を受ける側のリテラシーにも問題あり

データアナリストとして活動する自分への戒めの意味も込めて書きましたが、このような報告が蔓延する原因は、報告を受ける側に大部分があると考えています。ごまかしやインチキとも言える報告で満足するクライアントが多ければ、報告する側に是正するモチベーションは働きません。

余談ですが、実は今回の話は以前勤めていたコンサルティング会社にいたある1人の同僚のやり方がモデルになっています。こうはなるまいと反面教師として見ていましたが、クライアントにとっては災難なことに、社内の営業やコンサルからは評価が高い人でした。